甲子園球児の走り方に注目!速い選手は何が違う?
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都

- 8月17日
- 読了時間: 8分
夏の甲子園を見ていると、ホームランや豪快なピッチングだけではなく、実は「走塁」にも大きな差があることに気づきます。
一塁までの全力疾走、二塁への加速、盗塁、外野からホームへの走塁――。
野球では「打つ」「投げる」「守る」が注目されがちですが、試合の流れを変えるのが「走る力」です。
同じ高校球児でも、明らかに一歩目が速く、加速してからトップスピードに入るまでがスムーズな選手がいます。
では、速い選手は何が違うのでしょうか?
今回は、甲子園球児の走り方に注目しながら、野球選手に必要な「速く走るためのポイント」をMORIトレの視点から考えてみます。
甲子園で目立つ「速い選手」
野球の走塁で重要なのは、単純な50m走のタイムだけではありません。
むしろ試合中に求められるのは、
「止まった状態から一気に加速する能力」
です。
バッターボックスから一塁へ走るとき、守備から次の塁へ向かうとき、盗塁をするとき。
野球では、最初からトップスピードで走れる場面はほとんどありません。
一歩目から数歩の間で、どれだけ速くスピードを上げられるか。
ここが非常に重要です。
甲子園で速い選手を見ていると、一歩目が非常にスムーズです。
「ドン!」と地面を強く蹴っているように見えなくても、身体が前へスッと進んでいきます。
この「スッと進む感覚」が、実は大きなポイントです。
速い選手は「足」だけで走っていない
速く走ろうとすると、
「足を速く動かそう!」
「腿を高く上げよう!」
と考える選手が多いかもしれません。
しかし、速い選手ほど、足だけを一生懸命動かしているわけではありません。
重要なのは、身体全体を使って前へ進むこと。
特にスタートでは、身体の重心を前へ移動させ、その流れを利用して走り出すことが大切です。
足だけを前に出すと、身体が後ろに残ってしまいます。
すると、一歩目が大きくなりすぎたり、接地した瞬間にブレーキがかかったりします。
反対に、身体の重心が前へ進み、その下に足が自然に入ってくるような走りができると、スムーズに加速できます。
「一歩目」が速い選手は何が違う?
野球では、一歩目の速さが非常に重要です。
例えば盗塁。
投手が投げた瞬間にスタートしても、最初の一歩が遅ければ、二塁までの距離を縮めることができません。
外野守備でも同じです。
打球を見てから一歩目が速ければ、守備範囲が広がります。
つまり、
「一歩目が速い=プレーの選択肢が増える」
ということです。
一歩目を速くするためには、単純に筋力を強くするだけでは不十分です。
身体の向き、重心の位置、腕の使い方、足を置く場所、地面から力をもらう方向など、さまざまな要素が関係します。
速い選手は「接地」が上手い
走るとき、必ず足が地面に接地します。
ここで重要なのが、
「どこに足を置くか」
です。
身体よりも大きく前に足を出してしまうと、ブレーキがかかりやすくなります。
一方で、身体の動きに合わせて足が自然に接地すると、地面から受けた力を前への動きにつなげやすくなります。
甲子園で速い選手を見ると、足を前に大きく投げ出すというより、身体が前へ進み、その動きに足がついてきているように見える選手がいます。
この違いは、数歩の加速で大きな差になります。
「ストライドが大きい=速い」ではない
走り方の話になると、
「足が長い選手は速い」
「ストライドが大きい選手は速い」
と思われがちです。
もちろんストライドは重要な要素です。
しかし、ストライドだけを大きくすれば速くなるわけではありません。
ストライドと同時に、足を動かすリズムも重要です。
つまり、
「一歩の距離」と「一歩にかかる時間」
の両方を見る必要があります。
大きな一歩を無理に作ろうとすると、接地が遅くなったり、身体が上下に動いたりして、かえってスピードが落ちる場合があります。
速い選手は、自分の身体に合ったストライドとリズムを使っています。
腕振りにも注目してみよう
甲子園を見るとき、ぜひ「腕」にも注目してみてください。
速い選手は、腕をただ大きく振っているわけではありません。
腕の動きが脚の動きと連動しています。
右脚が前へ出るときに左腕が動き、左脚が前へ出るときに右腕が動く。
このような全身の連動によって、走るリズムが作られます。
腕を無理に大きく振るよりも、身体全体の動きと自然につながっていることが大切です。
「力を入れる」だけでは速くならない
スポーツ選手は筋力トレーニングを行います。
もちろん野球選手にとって筋力は重要です。
しかし、走るときに常に身体へ力を入れていると、動きが硬くなることがあります。
速い選手は、
「力を入れるところ」と「力を抜くところ」
の切り替えが上手です。
スタートでは地面を押す。
身体が前へ進んだら、必要以上に力を入れない。
脚を素早く入れ替える。
そして、また地面から力を受ける。
この繰り返しです。
「全力=全身に力を入れる」
ではありません。
むしろ速く動くためには、必要な部分だけを使い、不要な力を抜くことも重要です。
野球の走りは「50m走」と違う
ここも非常に重要です。
50m走が速い選手だからといって、必ずしも盗塁が速いとは限りません。
なぜなら野球には、
・構える
・反応する
・一歩目を出す
・加速する
・方向を変える
・減速する
・再加速する
という動作があるからです。
野球選手に必要なのは、単純な直線スピードだけではありません。
「反応+一歩目+加速+方向転換」
という能力が重要です。
そのため、野球の走り方を考えるなら、ただ50mを何秒で走れるかだけを見るのではなく、10m、20mなど短い距離での加速を見ることも大切です。
甲子園球児から学べること
甲子園には、全国から高いレベルの選手が集まります。
その中で「速い」と感じる選手を見つけたら、ぜひ次のポイントを観察してみてください。
「一歩目はどうなっている?」
「身体は前へ進んでいる?」
「足を前に投げ出していない?」
「腕と脚は連動している?」
「接地した瞬間にブレーキがかかっていない?」
「加速するときに身体が上下していない?」
こうした視点で見ると、野球観戦がさらに面白くなります。
単に「足が速い選手」ではなく、
「なぜ、この選手は速いのか?」
という視点で見ることができるからです。
子どもの走り方にもつながる
これは高校球児だけの話ではありません。
小学生や中学生のスポーツ選手にも同じ考え方が当てはまります。
「足を速くしたい!」
と言われたとき、いきなり筋トレや長距離走ばかりをする必要はありません。
まずは、
「身体をどう動かせば前へ進みやすいのか?」
を体験することが大切です。
特に成長期の子どもは、一人ひとり身体の大きさや柔軟性、筋力、運動経験が違います。
だからこそ、全員に同じフォームを押しつけるのではなく、その子自身が動きやすい走り方を探していくことが重要です。
MORIトレが大切にしていること
MORIトレでは、ただ「足を速く動かす」だけの走り方指導ではなく、
「どうすれば身体が自然に前へ進むのか」
を大切にしています。
速く走るためには、特別なことを一つだけ行えばいいわけではありません。
姿勢、重心、腕、脚、接地、リズム、そして身体全体の連動。
これらを一つずつ体験しながら、自分に合った動きを見つけていくことが大切です。
そして何より、
「走るのが楽しい!」
「もっと速くなりたい!」
と思えること。
これが子どもの成長には欠かせません。
まとめ|甲子園を見ると「走り方」がもっと面白くなる
甲子園では、ホームランや三振、好プレーに目が行きます。
しかし、次に観戦するときはぜひ「走り方」に注目してみてください。
速い選手には、
・一歩目がスムーズ
・重心移動が上手い
・接地でブレーキをかけにくい
・腕と脚が連動している
・自分に合ったストライドを使っている
・必要以上に身体を力ませない
・短い距離での加速能力が高い
といった特徴があります。
野球において「走る」は、単なる移動ではありません。
一歩速くスタートする。
一歩早く二塁へ到達する。
一歩早く打球へ追いつく。
その「一歩」が、試合の勝敗を変えることがあります。
だからこそ、野球選手にとって走力は大きな武器になります。
甲子園を見るとき、ぜひ選手の走り方にも注目してみてください。
「この選手、なぜ速いんだろう?」
そう考えるだけで、野球の見方が変わります。
そして、子どもたちの走り方を見るときも、
「もっと足を速く!」
だけではなく、
「どうすれば、もっと楽に前へ進めるかな?」
という視点を持ってみてください。
速く走ることは、身体能力だけで決まるものではありません。
身体の使い方を知ることで、今まで眠っていた「速さ」が引き出されることもあります。
甲子園球児の走り方を観察して、あなたも「速い選手」の秘密を探してみませんか?




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