なぜ足が速い?甲子園8強に残る高校球児,MORI DOGが走り方を徹底分析!
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都

- 8月18日
- 読了時間: 9分
甲子園を見ていると、強い高校の選手にはある共通点があることに気づきます。
それは――
「走るのが速い」
もちろん、野球はホームランを打つ力、投手力、守備力、戦術、チームワークなど、さまざまな要素が組み合わさって勝敗が決まります。
しかし、甲子園の上位に進むチームを見ていると、打った瞬間の一歩目、ベースランニング、守備でのスタート、盗塁、次の塁を狙う判断など、「走る能力」そのものが高い選手が多いことに気づきます。
では、なぜ強豪校の高校球児は足が速く見えるのでしょうか?
MORI DOGが、野球選手の「速さ」を陸上・かけっこの視点から徹底分析します!
■「足が速い=50m走が速い」ではない!
まず、ここが重要です。
野球における「足の速さ」と、陸上競技の100m走における「速さ」は、完全に同じではありません。
野球では、
・0〜5mの一歩目
・0〜10mの加速
・打球を見ながら走る能力
・ベースを回る技術
・減速と再加速
・次の塁への判断
・相手の守備位置を見る能力
などが重要になります。
つまり、
「100mを速く走れる選手=必ずしも走塁が上手い」
とは限らないのです。
逆に、50m走のタイムが飛び抜けていなくても、スタートとベースランニングが上手ければ、試合では非常に速く見える選手がいます。
実際、日本高等学校野球連盟が公開している甲子園塾の資料でも、走塁は単なる脚力ではなく、判断や技術を含めた競技として扱われています。
さらに「フォームでいくらでも速くなる」「走塁は技術練習」という考え方も示されています。(一般財団法人 長野県高等学校野球連盟)
ここにMORIトレが注目します。
■理由① 強豪校は「一歩目」が速い
野球で最も重要な走力の一つが、
一歩目の速さ
です。
例えば打球を打った瞬間。
「よし、走ろう」
と考えてから動いている選手と、
打球と同時に身体が動いている選手では、最初の数メートルで差が生まれます。
この差は、たった数歩でも大きい。
特に高校野球では、内野ゴロ、バント、ボテボテの打球など、数メートルの差がセーフ・アウトを分ける場面があります。
MORIトレでは、ここを
「足が速い」ではなく「動き出しが速い」
と考えます。
重要なのは、最初から大きなストライドで走ることではありません。
最初の数歩で、
身体を前へ運ぶこと。
これが加速につながります。
■理由② 強豪校の選手は「加速」がうまい
短距離走では、スタート直後からいきなり最高速度になるわけではありません。
0〜10mでは、
「どうやって速度を上げるか」
が重要になります。
野球でも同じです。
ベースからベースまでの距離は限られています。
そのため、最高速度そのものよりも、
短い距離でどれだけ速く加速できるか
が非常に重要です。
例えば、
「最初の3歩が速い選手」
と
「最初は遅いけれど途中から速くなる選手」
では、野球の走塁では前者が大きな武器になる場合があります。
MORIトレが子どもたちの走りを指導するときにも、この「最初の数歩」を非常に大切にしています。
■理由③「身体を前に運ぶ」のが上手い
速く走る選手を見ると、
「足を速く動かしている」
ように見えます。
しかし、実際にはそれだけではありません。
重要なのは、
身体の重心を前へ運びながら、地面から力をもらうこと。
足だけを一生懸命動かしても、身体が後ろに残っていれば前には進みません。
野球選手の場合、バッティング後に走り出すときは、打った姿勢から一気に走動作へ移行する必要があります。
ここで身体が起き上がってしまうと、加速が遅れてしまいます。
逆に、自然に前へ進める選手は、
「走り出しが軽い」
「一歩目が速い」
「加速が鋭い」
という印象になります。
■理由④「足の回転」だけではなく、ストライドも使っている
速く走るためには、
ピッチ=足の回転
と
ストライド=一歩の距離
の両方が関係します。
ただし、ここで注意したいのが、
「歩幅を大きくすれば速くなる」
という単純な話ではないことです。
無理に足を前へ伸ばすと、ブレーキがかかってしまうことがあります。
速い選手は、
身体の真下に近い位置で地面を捉え、前へ進む力を効率よく作っています。
だから結果として、ストライドも大きくなっていきます。
「足を大きく前へ出す」のではなく、
身体が前へ進むから、結果として一歩が大きくなる。
これが大切です。
■理由⑤ ベースランニングが「直線の100m」と違う
野球の走塁には、陸上にはない特殊な動きがあります。
それが、
ベースを回る
という動作です。
一塁から二塁、二塁から三塁、三塁からホーム。
単純に直線を走ればいいわけではありません。
ベースを踏む位置、身体の傾き、減速のタイミング、再加速などが関係します。
特にベースを回るときに、必要以上に減速してしまうと大きなロスになります。
逆に、スピードを保ちながら上手に方向転換できれば、同じ50m走のタイムでも試合では速く見えます。
甲子園塾の資料でも、ベースを「加速の道具」として使う考え方が紹介されています。(一般財団法人 長野県高等学校野球連盟)
つまり、
野球の走力=直線の速さ+曲線・方向転換の技術
なのです。
■理由⑥「速く走る」より「速く判断する」
ここが甲子園の走塁で非常に重要なポイントです。
最近の高校野球では、走塁を単純な「盗塁数」だけで評価するのは難しくなっています。
強豪校では、
「どの打球なら次の塁を狙えるか」
「外野手がどの姿勢で捕球したか」
「アウトカウントは何個か」
「得点差はどうなっているか」
などを瞬時に判断します。
近年の高校野球では、走塁が「個人の脚力」だけではなく、チームとして判断を共有する戦術になっているという分析もあります。(文春オンライン)
つまり、
足が速い選手=速い選手
ではなく、
判断が速く、身体も速く動く選手=試合で速い選手
なのです。
これは非常に重要です。
■MORI DOGが注目する「速い球児」の共通点
MORI DOGが甲子園の選手を見るとき、注目したいのは次の5つです。
①一歩目
打球が飛んだ瞬間に動けているか?
②前への重心移動
走り始めに身体が後ろに残っていないか?
③接地
足を前へ投げ出してブレーキをかけていないか?
④ピッチとストライド
無理なく足を回転させながら、身体を前へ運べているか?
⑤判断
打球を見て、次の塁へ行く判断が速いか?
この5つが揃ってくると、野球の「実戦的な速さ」が大きく変わってきます。
■では、普通の高校球児でも足は速くなる?
もちろん可能です。
ただし、
「毎日ひたすら100mを走る」
だけでは、野球の走力が効率よく伸びるとは限りません。
野球選手なら、
5mダッシュ
10mダッシュ
方向転換
ベースランニング
反応ダッシュ
など、競技に近い形で練習することが重要です。
さらに、フォームを見直すことも大切です。
例えば、
「上半身が後ろに残っている」
「足を前に出しすぎる」
「腕が左右に振れている」
「接地時間が長い」
「最初から身体を起こしてしまう」
などの小さなロスを減らすだけでも、走りは変わります。
■「筋力」だけを増やせば足が速くなるわけではない
高校生になると、
「もっと筋トレをしなければ」
と考える選手も多いでしょう。
もちろん、筋力はスポーツにおいて重要です。
しかし、筋力があっても、それを素早く使えなければ走力にはつながりません。
大切なのは、
筋力×身体操作×タイミング
です。
100の力を持っているのに50しか使えない選手より、
80の力を効率よく使える選手のほうが、短い距離では速いこともあります。
だからMORIトレでは、
「筋肉をつければ速くなる」
だけではなく、
「持っている身体能力をどう使うか」
を大切にします。
■小学生・中学生にも甲子園選手の走り方は参考になる!
ここまで読むと、
「高校球児だからできるんでしょ?」
と思うかもしれません。
しかし、実は小学生や中学生にも参考になるポイントがたくさんあります。
例えば、
・スタートで前へ進む
・身体を固めすぎない
・足を前に投げ出さない
・腕と脚を連動させる
・地面を強く押す
・短い距離で加速する
・反応して動く
これらは年齢に関係なく、走りの基本です。
特に小学生の段階では、
「きれいなフォームを完璧に作る」
ことだけを目標にする必要はありません。
走ることを楽しみながら、
「速くなった!」
「前より動ける!」
という成功体験を増やすことが大切です。
■MORI DOGから全国の野球少年・少女へ
甲子園の選手を見ると、
「すごい!」
「足が速い!」
と思います。
でも、その「速さ」は生まれ持った才能だけで決まるわけではありません。
一歩目。
加速。
身体の使い方。
接地。
腕振り。
ベースランニング。
そして判断。
一つひとつの小さな技術が組み合わさって、試合での大きな「速さ」になります。
そして、これは野球だけではありません。
サッカー、ラグビー、バスケットボール、陸上競技など、ほとんどのスポーツで「速く動き出す能力」は大きな武器になります。
MORI DOGが伝えたいのは、
「足が遅いから仕方ない」ではなく、「走り方を変えることで、まだ速くなれる」
ということ。
甲子園のスター選手の走りを見ながら、
「どこが速いんだろう?」
と考えてみてください。
ただ「速い選手を見る」のではなく、
「なぜ速く見えるのか?」
を分析する。
これだけでも、スポーツを見る目が変わります。
そして、自分の走りを変えるヒントも見つかるかもしれません。
■まとめ
甲子園8強クラスの強豪校で目立つ選手の「速さ」は、単純な50m走のタイムだけでは説明できません。
重要なのは、
一歩目
初速
加速
身体の重心移動
接地
ストライドとピッチ
ベースランニング
判断力
そして、
チームとしての走塁意識
です。
野球の走力は「足の速さ」だけではありません。
身体を速く動かす能力。
状況を速く判断する能力。
そして、その判断を瞬時に身体へ伝える能力。
この3つが合わさって、甲子園で見る「速い選手」になります。
MORI DOGは、これからも甲子園やプロ野球、陸上競技など、トップアスリートの動きを徹底分析!
「なぜ、この選手は速いのか?」
「なぜ、この選手は一歩目が速いのか?」
そんな疑問を、MORIトレの視点から分かりやすく解説していきます。
速く走ることは、才能だけじゃない。
走り方は、変えられる。
それがMORIトレの考え方です。
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