足を速くするために腸腰筋を鍛えると本当に速くなる?【MORIトレ】
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都

- 2 日前
- 読了時間: 5分
「足を速くするには腸腰筋を鍛えよう!」
短距離走やかけっこ、サッカー、野球などのスポーツでは、こんな言葉を聞くことがあります。
確かに腸腰筋は、走る動作に関係する重要な筋肉です。
しかし、
「腸腰筋を鍛えれば、それだけで足が速くなる」
という考え方には少し注意が必要です。
実際の走る速さは、筋肉の強さだけで決まるものではありません。
足を速くするためには、腸腰筋の力を「どう走りの中で使うか」が非常に重要です。
今回は、足を速くするための腸腰筋について、子どものかけっこからスポーツ選手のスプリントまで、MORIトレの視点から解説します。
腸腰筋とは?
まず、腸腰筋とはどこにある筋肉なのでしょうか?
腸腰筋は、主に「大腰筋」「腸骨筋」などから構成される、股関節の動きに関係する筋肉です。
簡単に言えば、
脚を前に振り出す動作に関係する筋肉
と考えると分かりやすいでしょう。
走るときには、片方の脚が地面を離れたあと、次の一歩を出すために脚が前方へ動きます。
このときに股関節を動かす能力が必要になります。
そのため、
「腸腰筋が強い=脚を速く前に動かせる」
というイメージが生まれました。
ただし、ここで大切なのが、
脚を前に出す能力だけでは速く走れない
ということです。
腸腰筋を鍛えただけで50m走は速くなる?
結論から言えば、
腸腰筋を鍛えることだけを目的にしても、必ず50m走が速くなるとは言えません。
なぜなら、短距離走は一つの筋肉だけで行う運動ではないからです。
走るためには、
・足を地面に接地する
・地面から力を受ける
・身体を前へ移動させる
・反対側の脚を動かす
・腕を振る
・姿勢を維持する
・身体のバランスを取る
など、多くの動作が連続して行われます。
つまり、
「腸腰筋を強くする」ことと「速く走れる」ことは同じではありません。
筋力を高めることは一つの要素ですが、それを走る動作につなげる必要があります。
実は「腸腰筋の強さ」より重要なことがある
短距離走で重要なのは、
どれだけ大きな力を出せるか
だけではありません。
その力を、
どのタイミングで、どの方向へ、どれくらい速く使えるか
が重要です。
例えば、腸腰筋が非常に強くても、脚を前に出すことばかり意識してしまうと、走りが大きくなりすぎる場合があります。
「もっと脚を前に!」
「膝を高く!」
と意識しすぎることで、身体の前で足を振り回すような走りになることもあります。
これでは、必ずしも速くなるとは限りません。
短距離走では、
脚を前に出すことだけではなく、脚が地面に接地した瞬間に身体をどう動かすか
が重要です。
「もも上げ」をすれば速くなる?
腸腰筋トレーニングとして有名なのが「もも上げ」です。
その場で膝を高く上げる運動ですね。
もちろん、股関節を動かす能力を高める運動として使うことはできます。
しかし、
ももを高く上げれば上げるほど速く走れる
というわけではありません。
実際の短距離走では、脚は毎回同じように高く上げるわけではありません。
走るスピードが変われば、脚の動きも変化します。
また、子どものかけっこでは、筋力トレーニングだけを増やすより、
「走る」
「跳ぶ」
「止まる」
「方向を変える」
「素早く動く」
といった実際の運動経験を増やすことが、動きの習得につながる場合があります。
「腸腰筋を鍛える」より「腸腰筋が働きやすい走り」を考える
足を速くするために大切なのは、
筋肉を大きくすることだけではありません。
身体の位置、姿勢、接地、腕振り、股関節の動き、足首、地面から受ける力など、全身の動きを連動させることが重要です。
腸腰筋も、その中の一つです。
だから、
「腸腰筋が弱いから遅い」
と決めつける必要はありません。
もしかすると、
・接地が身体から遠い
・身体が上下に動きすぎる
・腕振りと脚が連動していない
・力みすぎている
・地面を強く蹴ろうとしすぎている
・スタート直後に身体が起き上がっている
など、別の部分に原因があるかもしれません。
MORIトレが考える「本当に速くなるための考え方」
MORIトレでは、
「筋肉を鍛えれば速くなる」
という単純な考え方ではなく、
「身体が自然に速く動ける環境を作る」
ことを大切にしています。
子どもに必要なのは、完璧なフォームを無理やり作ることではありません。
まずは、
「走ってみる」
「失敗してみる」
「もう一度やってみる」
その中で身体が学習していくことが大切です。
腸腰筋も、走るための重要な身体の一部。
しかし、腸腰筋だけが主役ではありません。
速く走るのは「腸腰筋」ではなく「身体全体」です。
だからこそ、筋肉単体ではなく、走る動作全体を見ることが大切です。
まとめ|腸腰筋を鍛える=必ず足が速くなる、ではない
「足を速くするために腸腰筋を鍛える」
これは完全に間違いではありません。
しかし、
腸腰筋を鍛えれば自動的に足が速くなるわけではありません。
重要なのは、
・股関節をスムーズに動かせること
・身体全体を連動させること
・適切に地面へ力を伝えること
・接地から次の一歩につなげること
・ピッチとストライドのバランス
・実際に走る動作を練習すること
です。
特に子どものかけっこでは、筋肉だけを見るのではなく、
「その子がどう動いているのか?」
を見ることが大切です。
腸腰筋を鍛える。
それ自体を目的にするのではなく、
「速く走るための身体づくりの一部」として考える。
これが、足を速くするための一つのポイントです。
MORIトレでは、かけっこ・走り方・スポーツの動きを通して、子どもたちが「自分で動きを感じ、自分で速くなる」ことを大切にしています。
「もっと速く走りたい!」
その気持ちを、筋肉だけではなく、身体全体の動きにつなげていきましょう。




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