【世界新記録】ヨミフ・ケジェルチャがハーフマラソン56分51秒!ブエノスアイレスで歴史的快走
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都

- 8月30日
- 読了時間: 5分
2026年8月23日、世界の長距離界にまた新たな歴史が刻まれました。
エチオピアのヨミフ・ケジェルチャ選手が、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたハーフマラソンで、
56分51秒
という驚異的なタイムを記録。
ハーフマラソンの世界新記録を樹立しました。
21.0975kmを1時間どころか、57分を切って走る。
もはや想像するだけでも信じられないスピードです。
56分51秒はどれくらい速い?
ハーフマラソンの距離は21.0975km。
56分51秒を単純計算すると、
1km平均は約2分42秒。
つまり、
5km:約13分28秒ペース
10km:約26分57秒ペース
20km:約53分53秒ペース
という、とてつもないスピードを20km以上維持していることになります。
一般的なランナーなら1000mを1本全力で走っても難しいようなペースを、世界トップクラスの選手はハーフマラソンで維持してしまいます。
まさに異次元です。
従来の世界記録を29秒更新
今回ケジェルチャが記録した56分51秒は、ジェイコブ・キプリモが2026年3月にリスボンでマークした57分20秒を29秒更新する記録となりました。
ハーフマラソンという長い距離で29秒の更新。
これは非常に大きな記録更新です。
ケジェルチャは2024年10月のバレンシアでも57分30秒を記録して世界記録を樹立した経験がありました。
その後記録を更新されましたが、今回再び世界記録保持者の座を取り戻した形になります。
実は「56分42秒」というタイムも存在する
ここが少し興味深いポイントです。
ジェイコブ・キプリモは2025年にバルセロナで56分42秒という、今回のケジェルチャより速いタイムを記録しています。
しかし、このレースはWorld Athleticsの世界記録認定条件を満たさなかったため、正式な世界記録としては認められませんでした。
そのため今回の56分51秒が、世界記録として扱われています。
単純に「最も速く走ったタイム」と「世界記録として認定されるタイム」は必ずしも同じではありません。
陸上競技の面白いところでもあります。
ケジェルチャとはどんな選手?
ヨミフ・ケジェルチャは1997年生まれ、エチオピア出身の世界トップクラスの長距離ランナーです。
トラック競技でも非常に高い実績を残しており、5000mでは12分38秒95の自己ベストを持っています。
さらにマイル、3000m、5000m、ロードなど幅広い距離で世界トップレベルの走力を持つ選手です。
そして今回、ロードのハーフマラソンでも再び世界記録保持者となりました。
なぜここまで速く走れるのか?
世界トップクラスの長距離選手を見ると、
「心肺機能がすごい」
「持久力がすごい」
という部分に注目しがちです。
もちろんそれも重要です。
しかし、個人的に注目したいのは、
走りの効率です。
21km以上を1km2分42秒前後で走るとなれば、無駄な動きが少しあるだけでも大きなエネルギーロスになります。
腕を必要以上に振らない。
上下動を大きくしすぎない。
接地でブレーキをかけない。
体の真下付近で効率よく地面から力をもらう。
ピッチとストライドを無理なく維持する。
こうした小さな効率の積み重ねが、長距離では非常に大きな差になります。
「頑張って走る」だけでは速くならない
子どもの走り方指導でも同じことが言えます。
速く走ろうとすると、
「もっと腕を振ろう!」
「もっと足を上げよう!」
「もっと地面を蹴ろう!」
と考えてしまいがちです。
しかし、動きを増やせば必ず速くなるわけではありません。
むしろ余計な力を抜き、
少ないエネルギーで大きく前に進む。
これが非常に重要です。
世界トップランナーの走りを見ると、ものすごいスピードなのに、意外なほど力んでいないように見える瞬間があります。
速い選手ほど「頑張っているように見えない」。
ここに走り方のヒントがあります。
56分51秒は今後さらに更新されるのか?
今回ついに世界記録が56分台に突入しました。
しかし、すでに条件次第では56分42秒というタイムも出ています。
そう考えると、
ハーフマラソン55分台
という時代も、決して夢物語ではないのかもしれません。
シューズの進化。
トレーニング科学。
栄養。
ペースメーカー。
コース設計。
選手自身の能力。
さまざまな要素が進化している現在、長距離種目の世界記録は今後も更新されていく可能性があります。
MORIトレが注目したいポイント
今回のケジェルチャの世界記録から、子どもたちの走りにも応用できる考え方があります。
それは、
「力いっぱい走る=速く走れる」ではない
ということです。
速く走るためには、
力を入れる場所と抜く場所。
タイミング。
姿勢。
接地。
リズム。
そして身体全体の連動が重要になります。
頑張ることも大切。
でも、
頑張らなくても速く進める身体の使い方を覚えること。
これも同じくらい大切です。
世界記録56分51秒。
数字だけを見ると私たちとは別世界のように感じます。
しかし、世界トップ選手の走りには、子どもから大人まで参考にできるヒントがたくさん隠されています。
これからも世界のトップ選手の走りを楽しみながら、
「なぜ速いのか?」
を考えていきたいですね。
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