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継続させない、効果を出させない、「最新」に目を奪わせる──資本主義のしくみとその罠

  • 執筆者の写真: 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
    森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
  • 2025年7月19日
  • 読了時間: 4分

私たちの日常には、常に「新しい何か」が現れます。新商品の広告、新しい健康法、最新のトレンド、話題のアプリ、人気急上昇のメソッド……。

「これが効く!」「これが今の正解!」「もうこれなしでは時代遅れ!」そんな言葉が連日私たちの目や耳に飛び込んできます。


しかし、ここに大きな仕掛けがあります。


それは、「継続させない」「効果を実感させない」「最新に乗り換えさせ続ける」ことで、私たちを永遠に“消費者”の立場に留めておくという資本主義の構造です。


なぜ「継続」されては困るのか?


企業やマーケティング側からすれば、顧客が1つの商品やサービスで満足し、継続してしまうことは、長期的には利益の減少につながる可能性があります。

一度買って満足されてしまえば、その後の購入機会は減ります。つまり、商品が「完成された本物」になるほど、それは“売れにくくなる”という皮肉を生むのです。


たとえば、フィットネス業界ではどうでしょうか?

・1ヶ月で効果を出すというキャッチコピー

・新発売のサプリメント

・画期的なトレーニンググッズ


これらは本当に効果があるのでしょうか?

多くの場合、その「効果」は曖昧で、継続的に使わないと実感できない設計になっています。しかも、途中でやめてしまえば当然結果は出ません。すると人はこう思います。


「この方法じゃなかったのかも。じゃあ次はこっちの新しい方法を試してみよう」


このように、継続できない自分を責めながら、常に“次の正解”を探してしまうのです。ここに、資本主義的消費構造の巧妙な罠があります。


「飽きさせる仕組み」と「新しさへの依存」


人は「新しいもの」に惹かれる性質を持っています。心理学では「ノベルティ効果(新奇性効果)」と呼ばれ、これは脳が“新しさ”に快感を覚える反応です。


企業はこの性質を理解し、「あえて飽きるように」設計します。

・1週間で終わるような短期的なプログラム

・アップデートで見た目だけ変わるアプリ

・次々に発売される「最新版」


これは、商品の内容や本質的な価値よりも、「新しいことをしている感覚」を優先させるための戦略です。


すると消費者は、飽きる前に「新しいもの」に乗り換えたくなります。結果として、継続や習慣化は難しくなり、本来出せるはずの効果や成長はどんどん先延ばしになります。


続けさせないことで利益が回る世界


ここで一度、こうした構造を別の視点から見てみましょう。

• ダイエットが継続されず、効果が出ない → 次の商品が売れる

• 勉強法を変えてばかりで身につかない → 新しい教材が売れる

• 道具やウェアだけが増えて実力がつかない → また買ってしまう


つまり、「ゴールに到達できない」ように誘導することで、常に市場が動き続けるようになっているのです。


ここにあるのは、“成長”や“成果”ではなく、“消費の循環”です。


人が何かに本気で取り組み、継続し、習得し、成果を出したとしたら、その人はもう「消費者」ではなくなってしまいます。

だからこそ、どこかで「続けることを邪魔する力」が働いているのです。


資本主義が否定する「地味な継続」


成果や成長というのは、本来とても地味なもので、日々の積み重ねの中にしか存在しません。

しかし、資本主義はその「地味さ」を嫌います。なぜなら、地味で変化がないと、広告も売上も伸びないからです。


だから、

• 本を1冊じっくり読むより「5分でわかる要約動画」

• 同じ運動を3ヶ月続けるより「1週間で変わるトレンドメニュー」

• 小さな日記を続けるより「AIで一瞬診断」


こうした「速さ・派手さ・簡単さ」がもてはやされるのです。


ですが本当の成長や効果は、こうした即効性とは真逆の場所にあります。


「消費者」から「実践者」へ


この構造から抜け出す鍵は、「あえて変えない」こと、「あえて継続すること」です。


自分で「これ」と決めたやり方を、少なくとも3ヶ月続けてみる。

SNSの流行を横目に、自分のスタイルを守る。

毎日コツコツの中にある成長を、自分の目で見つける。


この姿勢に立つことで、私たちは“ただの消費者”から、“実践者”へと立場を変えることができます。


もちろん、資本主義を完全に否定する必要はありません。私たちの生活に豊かさをもたらしたのも事実です。しかし、その裏側の構造を知った上で、自分の選択をすることが、これからの時代には必要なのです。


まとめ:地味こそ最強


「効果が出ない」のではなく、「出る前にやめさせられている」

「自分に合っていない」のではなく、「選ばされたものに飛びつかされている」

「意志が弱い」のではなく、「仕組みがそう作られている」


このことに気づけば、あなたはもう、振り回される側ではなくなります。


成果とは、華やかな広告やSNSの裏にある、地味な継続の先にあります。

「続けること」を、もっと評価しよう。「変えないこと」に、もっと価値を置こう。

流されず、惑わされず、自分の軸で動ける人こそ、本当に効果を出せる人なのです。

せください!

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