足を速くするためには「余計なことをしない」ことが一番|情報過多がスピードを落とす理由
- 森 雅昭(スポーツ家庭教師/かけっこ走り方教室/体操教室枚方市)
- 12 分前
- 読了時間: 4分
足を速くするためには「余計なことをしない」ことが一番|情報過多がスピードを落とす理由
■ はじめに
「どうすれば足が速くなるのか?」
その答えを求めて、インターネットやSNS、YouTube、書籍など、あらゆる情報を探している方は多いと思います。
しかし、情報を集めれば集めるほど、逆に「どれを信じたらいいのかわからない」「動きがごちゃごちゃして、速くなれない」と悩む人が増えているのも事実です。
足を速くしたいなら、大切なのは「余計なことをしないこと」。
本当に必要なことは、実はごく限られているのです。
この記事では、「なぜ余計な情報や練習がスピードを下げるのか」「どうすれば必要なことだけに集中できるのか」について、具体的に解説していきます。
■ 情報を入れすぎると“動き”がバラバラになる
足が速くなるための理論や練習方法は、無数に存在します。
• 腕の振りを大きくする
• つま先接地を意識する
• 地面を押す感覚を強く
• 骨盤を前に出す
• 体幹を意識する
• 前傾姿勢を保つ
• ハムストリングを使う
• 踵をお尻に近づける
• 接地時間を短くする
• ストライドを伸ばす…
どれも正しそうに見える言葉ですが、これらをすべて意識しながら走ることは不可能です。
むしろ、「あれもこれもやろう」とすると、動きがバラバラになり、自然な走りが失われてしまいます。頭が混乱し、体がうまく動かない。結果、タイムが伸び悩むのです。
■ 本当に速い人は「シンプル」に走っている
速く走れる人ほど、「考えすぎていない」ものです。
フォームに無駄がなく、リズムが一定で、体の連動がスムーズ。これは、正しい技術が“無意識に”できている状態です。
逆に遅い人ほど、「腕はこうかな?」「足はこうかな?」「体幹は…」と走りながら考えてしまい、動きがギクシャクします。
つまり、「情報の多さ=速さ」ではなく、
「必要なことだけに集中できる人=速くなれる人」なのです。
■ 練習も「多ければいい」ではない
例えば、1週間でこんな練習スケジュールを立てたとします。
• 月:もも上げ
• 火:体幹トレーニング
• 水:ハムストリング強化
• 木:フォーム修正
• 金:ピッチ走
• 土:ストライド走
• 日:全力ダッシュ+動画チェック
一見ストイックに見えますが、毎日違うことをしていると、体に「何が効いているのか」が定着しません。フォームも意識もバラつき、土台が育たないのです。
実は「これだけやればOK」という練習を、1日5分でもいいから毎日繰り返す方が、圧倒的に効果的です。スピード向上に必要なのは「引き算の思考」なのです。
■ 情報も練習も「選ぶ力」が必要
現代は情報があふれている時代です。
だからこそ、何をやるかよりも、「何をやらないか」を決めることがとても重要です。
では、どうやって選ぶのか?
ポイントは3つです。
① 自分の走りの課題を把握する
「腕ふりが小さい」「接地が遅い」「バタバタしている」など、自分の走りのクセをまず知る。
② 目的を明確にする
「スタートを速くしたい」「後半の減速を減らしたい」など、目標を明確にする。
③ その目的に合う方法だけを選ぶ
たとえば「ピッチが遅い」が課題なら、「もも上げドリル」だけに1週間集中する、というように一点集中で取り組む。
これだけで、効果の出方が変わってきます。
■ 頭ではなく「体で理解する」時間を増やす
理論を知ることは大切です。ですが、理論はあくまで“補助”。
走ることは体で覚えるものです。
動画ばかり見て、情報だけが増えていくと、頭でっかちになってしまいます。
大切なのは、「知る → 動く →感じる →直す」という体の感覚のループ。
このループを作るためには、「余計なことを考えすぎない」「無駄に情報を取りすぎない」ことが前提になります。
■ まとめ|速くなりたいなら、まずは“1つ”に絞る
足を速くしたい。
そのために努力すること、知識を得ようとすることは素晴らしいことです。
でも、努力と情報は「多ければいい」というものではありません。
むしろ、余計なものを減らして、“今の自分に本当に必要な1つ”に集中することが、スピードアップへの最短ルートです。
最後に伝えたいこと
足が遅いのは、努力が足りないからじゃない。
速くならないのは、努力の方向が“多すぎる”からかもしれない。
あなたに必要なのは、「10の理論」ではなく、「1つの行動」です。
今やるべきことを、シンプルに、毎日繰り返してみましょう。
それだけで、走りはきっと変わります。
Comments