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ウエイトトレーニングは、資本主義社会が作りだした?

  • 執筆者の写真: 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
    森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
  • 7月11日
  • 読了時間: 5分

ウエイトトレーニングは、資本主義社会が作りだした?


ウエイトを持ち上げれば持ち上げるほど、誰かが儲かる仕組み


ウエイトトレーニング、つまり「重りを持ち上げる」行為は、かつては職業的な肉体労働や兵士の訓練に限られていました。しかし現代では、ジムに通ってバーベルやダンベルを持ち上げることが「健康的」「美しい」「理想の自己実現」などとされ、多くの人々が時間とお金をかけて取り組んでいます。


では、この「鉄の塊を持ち上げる」文化は、いったい誰のために存在しているのでしょうか?


本記事では、「ウエイトトレーニングは資本主義社会が作り出した文化であり、やればやるほど誰かが儲かる仕組みになっているのではないか?」という視点から、トレーニング文化の裏側にある経済構造をひも解いていきます。


そもそも、なぜ“わざわざ重いもの”を持ち上げるのか?


昔の人々の身体は、日常生活そのものが“トレーニング”でした。農作業、建設、狩猟、戦い——体を使わなければ生きていけなかった時代です。


しかし近代以降、機械化とオフィスワーク化が進むことで、肉体労働の比率が減少。人は「運動しなくても生きていける」生活に入っていきます。


すると逆に、「意識して運動しなければ健康が保てない」という問題が発生します。ここに“人工的な運動”としてのウエイトトレーニングが登場するのです。


バーベル、ダンベル、マシンといった器具を使って、筋肉を“意図的に”疲労させる。かつて生活の一部だった身体的負荷が、今では「サービス」として提供される時代に変わりました。


資本主義とウエイトトレーニングの蜜月関係


現代社会では「身体の見た目」も“資本”として扱われます。引き締まった身体は「自己管理能力の象徴」であり、「意識の高い人」と見なされる材料でもあります。


ここに資本主義は、巧みに入り込んでいます。


①「理想の体」を広告で作り出す


SNSや広告業界は、細マッチョ、ゴリマッチョ、ヒップアップなど、「これがかっこいい」「これが美しい」という理想像を作り上げます。


これに多くの人が影響され、「その身体を手に入れるにはトレーニングが必要」と信じるようになります。


② 必要になるのは、ジム・サプリ・アパレル


理想の体を得るためには、

• ジム会費(月1万円〜)

• パーソナルトレーニング(1回5,000円〜1万円)

• プロテインやサプリメント(月数千円〜)

• トレーニングウェア、シューズ、スマートウォッチ


…など、継続的な出費が必要になります。これは「使い捨て」ではなく「継続型課金モデル」です。


まさにサブスクリプションの極み。あなたが筋肉をつけようとする限り、誰かの売上は伸びていきます。


「成果が出るまで続ける」=「終わりのない消費」


筋トレには“終わり”がありません。むしろ、「理想の体に近づけば近づくほど、さらに欲が出る」という構造になっています。

• 腹筋が割れた → もっと深くしたい

• ベンチプレスが100kg挙がった → 120kgを目指したい

• ボディメイク成功 → 今度は減量して大会に出たい


この“向上心”は個人の成長として尊いものでもありますが、資本主義的に言えば「絶えず課金し続けてくれる優良顧客」の誕生です。


ジムやサプリ業界にとって、ウエイトトレーニングは「結果が出るまでのプロセスを売る」非常に理想的なビジネスモデルとなっています。


「筋肉は裏切らない」——でも、お金はどこに流れる?


たしかに、筋トレは自分自身を高め、健康になり、自信にもつながります。

しかし「筋肉は裏切らない」という言葉の影で、

「あなたが頑張れば頑張るほど儲かる人がいる」という視点も持っておくべきでしょう。


たとえば、

• パーソナルトレーナー

• フィットネス系インフルエンサー

• スポーツジム経営者

• サプリメント企業

• アスリート系YouTuber

• トレーニングアパレルブランド


これらの人たちは、あなたが「もっと良くなりたい」と思えば思うほど、マーケティングが機能し、売上が伸びていくのです。


「トレーニングを売る社会」と「健康を売る社会」


問題なのは、健康そのものが「手段」ではなく「商品」になりつつあることです。

本来、健康や身体づくりは「自分のため」にやるものであり、「他人に見せるため」のものではなかったはずです。


ところが、SNS時代では“筋トレの成果を見せる”ことが当たり前になり、それに応じて承認欲求が刺激され、

さらにトレーニング・サプリ・ジム契約…と出費が膨らんでいきます。


つまり、資本主義は「健康」や「理想の身体」さえも“終わりのない消費”に変えてしまったのです。


それでも、ウエイトトレーニングをする意味


では、筋トレはすべて資本主義に乗せられた「無駄な努力」なのか?

そうではありません。


筋トレは、成果が見えやすく、自信を育て、精神面にも大きな効果を与える、非常に優れた自己投資の手段です。

問題は、それが「消費」へと誘導されやすい構造にあるということ。


だからこそ私たちは、

• 自分の目的を見失わないこと

• 情報に流されすぎないこと

• 必要なものと過剰なマーケティングを見極めること


このような“判断力”を持って、筋トレに向き合うことが大切なのです。


まとめ:筋トレと資本主義の境界線を見極めよう


ウエイトトレーニングは、たしかに資本主義が“産業化”した文化の一つかもしれません。

しかし、あなたがそれを「何のためにやるのか」という目的をしっかり持っていれば、それは誰かの利益のためではなく、自分自身の成長と幸せにつながる活動になります。


筋トレは「自己実現の手段」であって、「他者からの評価」を得るための道具ではない。


このバランスを忘れず

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