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小さい頃は足が速かったのに…急に周りに抜かされる理由とは?

  • 執筆者の写真: 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
    森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
  • 5月29日
  • 読了時間: 4分

「小学校の低学年までは運動会でいつも1位だったのに、気づいたら周りの子にどんどん追い越されていた…」

こんな経験、ありませんか?

あるいは、今まさにお子さんがそんな壁にぶつかっている方も多いかもしれません。


「昔は速かったのに、なぜ?」

実はこれには、成長過程や身体の使い方、周囲との比較による相対的な変化など、さまざまな理由があります。この記事では、足が速かった子がなぜ急に抜かされるようになるのか、その背景を詳しく掘り下げていきます。


1. 成長スピードの違いが原因かも?


まず最も大きな要因は**「成長スピードの個人差」**です。


小学校低学年までは、身長や筋力の差がまだ大きくありません。そのため、元々の身体能力が高かった子が目立ちやすく、「あの子は足が速い!」と評価されることが多いのです。


しかし、小学校中学年から高学年、あるいは中学生になる頃には、急激に体格や筋力が成長する子と、そうでない子の差が広がり始めます。


たとえば、こんなパターンがあります。

• Aくん:小1~小3まではずっとリレーの選手。だが小4で急に身長の伸びが止まり、他の子に追い越される。

• Bくん:小3までは少しポチャッとしていて鈍そうだったが、小5で身長が一気に伸び、脚力とスピードが急上昇。


このように、「自分は変わっていない」ように見えても、周囲が成長して追いついてきた、というケースがとても多いのです。


2. 動きの癖が足を引っ張る


成長とは別に、**走り方の「癖」や「体の使い方の間違い」**が原因で、スピードが伸び悩むこともあります。


小さい頃は、無意識にバネを効かせて走っていたのに、年齢と共に体重が増え、フォームが崩れたり、足の力だけで無理にスピードを出そうとして効率が悪くなるケースがあります。


特によく見られるのが…

• 腕を振らずに走る癖がついてしまう

• 膝を上げずに前に倒れ込むような走り方

• 足が体の後ろで流れる「流れ走り」になっている


これらは一見すると「それほど悪くなさそう」に見えて、実はスピードロスの大きな原因です。


3. トレーニングの有無が差をつける


意外と見落とされがちなのが、「運動量やトレーニング環境の差」です。


小さい頃は自然と外遊びが多く、かけっこや鬼ごっこを通じて走る力がついていたはずです。しかし、年齢が上がるにつれて次のような変化が起こります。

• ゲームやYouTube中心の生活で外遊びが減る

• 塾や習い事で運動の機会が減る

• 逆にスポーツクラブに通い始めた子は、専門的な走りのトレーニングをしている


結果的に、「自然に足が速かった子」よりも、「意識して走り方を学んだ子」が逆転するという現象が起こりやすくなります。


4. モチベーションとメンタルの影響


もう一つ見逃せないのが、メンタル面ややる気の変化です。


「前は1位だったのに最近は勝てない」と感じると、自信をなくして消極的になり、タイムが伸びないスパイラルに入ってしまうことがあります。

また、「負けたくない!」という強い気持ちがある子は、自ら走り方を研究したり、練習に熱心に取り組むようになり、その差が顕著になります。


つまり、「足が速かった過去」に安心して努力をやめてしまうと、逆転される可能性が高くなるのです。


5. 抜かれてからが勝負!今からできる対策


では、もしあなたやお子さんが「周りに抜かされた…」という状態にある場合、どうすればよいのでしょうか?

ここからは、実際に役立つ5つの対策を紹介します。


(1)現状の走りを動画でチェックする


自分の走りをスマホで撮影してみましょう。腕の振りや姿勢、足の運びに無駄がないか、動きにリズムがあるかを確認するだけで大きな気づきが得られます。


(2)正しいフォームを学ぶ


特に大切なのは「姿勢」「腕振り」「足の着き方」。専門のかけっこ教室や陸上クラブに参加するのもおすすめです。


(3)毎日少しでも走る習慣をつける


10分のダッシュでも、正しく続ければ筋力や心肺機能がアップします。特に「短距離ダッシュ」「ジャンプ系のトレーニング」がおすすめです。


(4)体幹トレーニングを取り入れる


走るときに体幹がブレると、力が分散してスピードが落ちます。プランクやバランスボールなどで体幹を鍛えるのも効果的です。


(5)「まだ伸びる」と信じて取り組む


最も大事なのは、「今からでも十分に伸びる」という意識。走りの力はトレーニングで必ず戻ってきます。過去に速かったなら、才能の土台はすでにあるのです。


まとめ|「速かった過去」より「これから伸びる未来」


小さい頃に足が速かったことは、誇れることです。ですが、それにとらわれ過ぎると、今の変化に対応できなくなってしまいます。


「なぜ抜かされたのか?」を冷静に受け止めて、今の自分に必要なことを見つけることが大切です。

成長には波があります。遅れて伸びるタイプの子もたくさんいます。

「自分はもうダメだ」と諦めずに、今できることに集中していきましょう!


あなたの走りには、まだまだ可能性があります。


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