top of page

走り方だけ変えたら短期的に足は速くなるのか?

  • 執筆者の写真: 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
    森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
  • 5月13日
  • 読了時間: 4分

「足を速くしたい!」と願う人は多いでしょう。特に子どもから大人まで、運動会や競技会で一瞬でも速く走りたいという思いは共通です。しかし、「走り方だけを変えれば短期的に足は速くなるのか?」という疑問を持つ人もいるでしょう。今回は、このテーマを科学的・実践的な視点から詳しく解説します。


■ 走り方の重要性:フォームは速度に直結する


走り方、つまり「フォーム」は、走る速さに大きな影響を与えます。例えば、以下のようなフォーム改善が速さに直結します:

• 腕の振り:肘を90度に曲げ、後ろへ大きく引くことで推進力を生み出す。

• 足の着地位置:体の真下に着地することでブレーキを防ぎ、スムーズな推進が可能。

• 重心の位置:やや前傾姿勢を保つことで、重力を利用してスピードを上げやすい。


これらは一見シンプルですが、走るたびに積み重なることで大きな差を生みます。たとえば、腕の振りを強化するだけで、数メートルの差が生まれることもあります。


■ 短期的に効果が出るケース


実際に「走り方だけを変えて速くなる」ことは可能です。以下のケースでは、即効性が期待できます:


1. 初心者やフォームが安定していない人


特に小学生や初心者の場合、基本的なフォームを整えるだけでタイムが大きく向上することがあります。たとえば、前傾姿勢を意識し、腕の振りを正すだけで数秒改善されることも珍しくありません。


2. 既に体力がある人


筋力や体力が十分であれば、フォームを変えることでその力を効率的にスピードに変換できます。逆に、筋力が不足しているとフォームを変えても効果が出にくいです。


3. 無駄な動きが多い人


上半身が大きくブレる、足が外側に流れるなど、無駄な動きが多い場合は、それを修正するだけで推進力が向上し、スピードが上がります。


■ 短期的に効果が出にくいケース


一方で、以下のケースでは走り方を変えても即効性が期待できません:


1. 筋力不足


たとえば、太ももの前側(大腿四頭筋)やお尻(大臀筋)、ふくらはぎ(腓腹筋)の筋力が不足している場合、理想的なフォームを維持できません。筋力トレーニングも並行して行う必要があります。


2. 柔軟性の不足


可動域が狭いと、理想の走り方を実現できません。特に股関節や足首の柔軟性が不足していると、スムーズな足の動きが阻害されます。


3. 体の使い方が固定化されている


長年の癖で誤った走り方が染み付いている場合、短期的にフォームを変えても元に戻りやすいです。この場合は、反復練習で新しい走り方を体に覚えさせる必要があります。


■ 短期間でフォームを変える方法


実際に短期的に足を速くしたい場合、以下の方法でフォーム改善を目指しましょう:


1. 動画で自分の走りを確認


スマートフォンで自分の走りを撮影し、フォームを確認しましょう。特に腕の振りや足の着地位置をチェックし、修正点を見つけます。


2. 反復練習


短い距離(10m〜30m)で正しいフォームを意識して走る練習を繰り返します。フォームに集中できるため、短距離が効果的です。


3. 軽いドリル練習


スキップやもも上げなど、正しい動きを意識しやすいドリルを取り入れることで、正しい動きが身につきます。


4. フォーム指導を受ける


コーチや専門家からのアドバイスを受けることで、自分では気づけない修正点も見つけられます。


■ 実例:フォーム改善でタイムが変わった事例


ここで実際の事例を紹介します。


小学生A君の例


• 改善前:50m走 10秒0

• 改善後(1週間):50m走 8秒8


A君は走る際、上半身が大きく左右に揺れていました。フォーム指導で腕の振りを体に沿うように修正し、足の着地位置を体の真下にすることを意識した結果、1週間で1.2秒もタイムが改善されました。


■ まとめ:走り方を変えるだけで速くなる条件とは?


結論として、「走り方だけを変えることで短期的に速くなることは可能」です。しかし、それは以下の条件を満たす場合に限ります:

1. 筋力や体力が十分にあること

2. 柔軟性があり、可動域が確保されていること

3. 無駄な動きが多い人が正しく修正できること


逆に、筋力や柔軟性が不足している場合は、フォーム改善と並行してこれらの強化が必要です。正しいフォームを身につけることで、短期間でのタイム改善が現実のものとなります。


あなたもぜひ、自分の走りを見直し、正しいフォームで走ることを目指してみてください。

最新記事

すべて表示
「“怪物高校生” 藤木勇我 — “井上尚弥の再来”と呼ばれる男の強さの秘密と、プロへの期待」

日本ボクシング界にまた、新たな怪物が現れた。17歳にして国内最高峰大会を制し、無敗を誇る高校生ボクサー、藤木勇我。 その圧倒的な強さとポテンシャルが、すでに“井上尚弥の再来”と呼ばれている理由とは──。 今回は、藤木の現在地と未来への可能性、その強さの秘密を徹底分析する。

 
 
 
「江戸走りで足は速くなる?50m・100mから野球・サッカー・ラグビーまで使える“脱力走法”を徹底解説!」

「江戸走りで足は速くなるのか?」 これはここ数年、陸上競技や球技スポーツで注目が高まっているテーマです。江戸時代の飛脚が長距離を高速で走り続けたという走法ですが、その本質は「脱力」「軸の安定」「骨盤の効率的な動き」。これは現代のスプリント理論や球技の動きとも非常に近いものがあり

 
 
 
投手に本当に必要なのは球速ではなく「タイミング操作」|打者の予測を崩す投球とは

野球の世界では「球が速い投手=すごい」というイメージが根強く残っています。 確かに速球は魅力的で、観客の目を引き、投手自身の武器にもなります。しかし、実際にバッターを抑え続けられる投手は、必ずしも最速を誇る投手ばかりではありません。むしろ、打者が最も嫌がるのは “タイミングを外

 
 
 

コメント


© 2023 by Nicola Rider.
Proudly created with Wix.com

 

bottom of page