走り方だけ変えたら短期的に足は速くなるのか?
- 森 雅昭(スポーツ家庭教師/かけっこ走り方教室/体操教室枚方市)
- 11 分前
- 読了時間: 4分
「足を速くしたい!」と願う人は多いでしょう。特に子どもから大人まで、運動会や競技会で一瞬でも速く走りたいという思いは共通です。しかし、「走り方だけを変えれば短期的に足は速くなるのか?」という疑問を持つ人もいるでしょう。今回は、このテーマを科学的・実践的な視点から詳しく解説します。
■ 走り方の重要性:フォームは速度に直結する
走り方、つまり「フォーム」は、走る速さに大きな影響を与えます。例えば、以下のようなフォーム改善が速さに直結します:
• 腕の振り:肘を90度に曲げ、後ろへ大きく引くことで推進力を生み出す。
• 足の着地位置:体の真下に着地することでブレーキを防ぎ、スムーズな推進が可能。
• 重心の位置:やや前傾姿勢を保つことで、重力を利用してスピードを上げやすい。
これらは一見シンプルですが、走るたびに積み重なることで大きな差を生みます。たとえば、腕の振りを強化するだけで、数メートルの差が生まれることもあります。
■ 短期的に効果が出るケース
実際に「走り方だけを変えて速くなる」ことは可能です。以下のケースでは、即効性が期待できます:
1. 初心者やフォームが安定していない人
特に小学生や初心者の場合、基本的なフォームを整えるだけでタイムが大きく向上することがあります。たとえば、前傾姿勢を意識し、腕の振りを正すだけで数秒改善されることも珍しくありません。
2. 既に体力がある人
筋力や体力が十分であれば、フォームを変えることでその力を効率的にスピードに変換できます。逆に、筋力が不足しているとフォームを変えても効果が出にくいです。
3. 無駄な動きが多い人
上半身が大きくブレる、足が外側に流れるなど、無駄な動きが多い場合は、それを修正するだけで推進力が向上し、スピードが上がります。
■ 短期的に効果が出にくいケース
一方で、以下のケースでは走り方を変えても即効性が期待できません:
1. 筋力不足
たとえば、太ももの前側(大腿四頭筋)やお尻(大臀筋)、ふくらはぎ(腓腹筋)の筋力が不足している場合、理想的なフォームを維持できません。筋力トレーニングも並行して行う必要があります。
2. 柔軟性の不足
可動域が狭いと、理想の走り方を実現できません。特に股関節や足首の柔軟性が不足していると、スムーズな足の動きが阻害されます。
3. 体の使い方が固定化されている
長年の癖で誤った走り方が染み付いている場合、短期的にフォームを変えても元に戻りやすいです。この場合は、反復練習で新しい走り方を体に覚えさせる必要があります。
■ 短期間でフォームを変える方法
1. 動画で自分の走りを確認
スマートフォンで自分の走りを撮影し、フォームを確認しましょう。特に腕の振りや足の着地位置をチェックし、修正点を見つけます。
2. 反復練習
短い距離(10m〜30m)で正しいフォームを意識して走る練習を繰り返します。フォームに集中できるため、短距離が効果的です。
3. 軽いドリル練習
スキップやもも上げなど、正しい動きを意識しやすいドリルを取り入れることで、正しい動きが身につきます。
4. フォーム指導を受ける
コーチや専門家からのアドバイスを受けることで、自分では気づけない修正点も見つけられます。
■ 実例:フォーム改善でタイムが変わった事例
ここで実際の事例を紹介します。
小学生A君の例
• 改善前:50m走 10秒0
• 改善後(1週間):50m走 8秒8
A君は走る際、上半身が大きく左右に揺れていました。フォーム指導で腕の振りを体に沿うように修正し、足の着地位置を体の真下にすることを意識した結果、1週間で1.2秒もタイムが改善されました。
■ まとめ:走り方を変えるだけで速くなる条件とは?
結論として、「走り方だけを変えることで短期的に速くなることは可能」です。しかし、それは以下の条件を満たす場合に限ります:
1. 筋力や体力が十分にあること
2. 柔軟性があり、可動域が確保されていること
3. 無駄な動きが多い人が正しく修正できること
逆に、筋力や柔軟性が不足している場合は、フォーム改善と並行してこれらの強化が必要です。正しいフォームを身につけることで、短期間でのタイム改善が現実のものとなります。
あなたもぜひ、自分の走りを見直し、正しいフォームで走ることを目指してみてください。
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