「変わるバドミントンの新時代──“21点制廃止”へ、ルール改正が日本人選手に与える影響とは?」
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都

- 5 時間前
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バドミントンの国際ルールが大きく変わろうとしている。長年「21点・3ゲーム制」が当たり前だった試合形式が、2025年から「15点制3ゲーム(3×15)」の導入テストや、次ラリーまでの“25秒タイムクロック”の導入といった変更案に揺れている。この記事では、これらの変更内容を整理し、日本のトップ選手や若手選手たちにどんな影響があるかを考えてみる。
■ なぜルール変更?――BWFが求める“スピード感と観戦性”の向上
現在、国際バドミントンの標準ルールは「ラリーポイント方式の21点先取/3ゲーム先取」。しかし、BWFは観戦者の関心を高め、試合時間を短縮するために新たな試みを導入しようとしている。
主な変更案は以下の通り:
• 3×15方式(15点先取×3ゲーム制)
2025年に一部大会で試験導入。従来より1ゲームあたりの得点目標が少なくなり、試合時間が短縮される。
• 25秒タイムクロック制度
ラリーとラリーの間に“最大25秒以内”で次のサービスを開始しなければならないという時間制限。2026年から主要大会で導入予定。
• サービス規則の見直し(たとえば “スピンサーブ” の禁止など)
2025年4月にサービス関連の規則が改訂され、一部サーブ技術の扱いが変更されたという報告もある。
こうした改革は、試合テンポを加速させ、観客にもわかりやすく、スリリングな展開を増やすことを狙っている。
■ 日本にとってのメリットと注意点
✅ メリット:スピーディーな展開で若手・体力型選手が輝きやすい
• 得点の重みが軽くなることで、1ゲームの集中力が高まり、ミスを減らせば一気に有利になる。特に攻撃力・瞬発力・展開力を持つ若手や体力勝負型の選手には有利。
• 時間短縮で試合数をこなしやすく、体への負担や怪我のリスクも減る ― 長い大会や多試合においてメリット大。
🔎 注意点・懸念:戦略・駆け引きの変化に適応できるか
• 従来の21点制では「ラリーの蓄積」「持久力」「粘り強さ」が勝敗を左右するケースが多かったが、15点制なら序盤の出だしや勢いで流れが決まりやすい。これまでの“粘り型”“スタミナ型”の選手には不利になる可能性。
• 25秒クロックにより、サーブ間・ラリー間の“間”や“読み”の時間が削られ、即座の判断・準備が求められる。技術だけでなくメンタルや試合運びの巧さがより重要に。
• サービス技術の制限(例:スピンサーブ禁止など)がある場合、これまでその武器に頼っていた選手はスタイル変更を迫られるかもしれない。
■ 日本選手への影響 ― チャンスか、新たな試練か
日本では、従来型の粘り強さや戦術の安定性を重視するタイプの選手が強みを見せてきたが、今後は「スピード」や「瞬発力」、「攻撃的な展開力」が鍵となる可能性が高い。
例えば:
• 若手で勢いのあるプレーヤーや、攻撃型ダブルス/シングルスの選手は恩恵を受けやすい。試合を短時間で制する力があれば、短所が目立ちづらくなる。
• ベテランや守備型/スタミナ型の選手は、試合の流れを読み、安定してラリーを続ける力があるが、ラリー数や時間が減ることで“粘りの強さ”が発揮しづらくなるかもしれない。
• サービスバリエーションに依存してきた選手は、サービス規則の変更でスタイルを見直す必要がある。
また、国内における代表選考や大会出場の基準変更も注目される。実際、ルール改正を踏まえ、日本協会は選考基準の見直しを検討しているとの報道もある。
■ これから注目すべきこと
今後の流れを見守る上で、注目すべき点は以下のとおり:
1. 3×15方式の正式導入決定:2025〜2026年のテスト結果を受け、2026年総会で正式採用されるか。
2. 国内選手の適応力:若手 vs ベテラン、攻撃型 vs 守備型、サーブ型 vs ラリー型――どのタイプが優勢か。
3. 戦術の変化:サービス・リターンの重視、速攻の活用、ラリー数の管理など、戦術・練習の見直しが進むか。
4. 観戦・大会運営への影響:試合時間の予測可能化で、観客動員や放送スケジュールにどれだけ好影響が出るか。
■ 総括:日本バドミントン界にとってのターニングポイント
バドミントンのルール変更は、ただの数字の変更ではない。戦術、選手育成、試合運び、観戦体験、すべてに影響を与える「構造改革」だ。
日本人選手たちにとっては、大きなチャンスでもあり、新たな試練でもある。
スピードと瞬発力、攻撃的展開、そして柔軟な対応力――これからの時代を生き抜くためのキーワードだ。
もし日本のトップ選手がこの変化にうまく適応すれば、新しい世代のスターや戦術派の選手が一気に台頭するかもしれない。
逆に、適応できなければ、これまでのような安定感や粘り強さが不要とされるかもしれない。
バドミントン界は今、まさに“過渡期”。ファンとして、選手として、その行方に注目したい。
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