「前頭葉疲労」が子どもを蝕む?今どきキッズの“脳オーバーヒート”を防ぐ3つの処方箋
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都

- 3 時間前
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スマホ、タブレット、オンライン授業、塾通い…子どもたちの日常は情報とスケジュールでぎっしりです。しかし、そんな環境の中で“脳の司令塔”ともいえる前頭葉(思考・判断・感情コントロールを担う部位)が、疲れすぎて動きづらくなっているという研究が出てきています。今回は、なぜ子どもたちは「脳が疲れている」のか、何が前頭葉を疲弊させているのか、その対策までを分かりやすく解説します。
なぜ「前頭葉」が疲れるのか?
前頭葉は、集中・我慢・切り替え・判断など高度な機能を担っています。研究によれば、認知的な負荷(=考え続ける・切り替える・我慢する)を長時間受けると、前頭葉に過剰な活動が発生し、効率が落ちてしまうという報告があります。 また、小中学生では「疲労状態」になるほど、前頭葉まわりの脳活動が広く・強くなり、エネルギー効率が悪くなるというデータも。
つまり、子どもたちが「集中できない」「すぐイライラする」「切り替えが苦手」などを見せる時、その裏には“前頭葉の疲れ”が隠れていることが多いのです。
子どもたちの前頭葉を疲れさせる3つの要因
① 長時間画面・強い刺激
スマホ・タブレット・動画・SNSは、常に脳に“報酬”や“新鮮な刺激”を与え続けます。こういった刺激が途切れないと、前頭葉は「情報処理」「切り替え」を休む暇なく続け、疲弊します。
② 詰め込み・習い事・評価の連続
学校・塾・宿題・テスト・習い事…子どもたちに課されるタスクは年々複雑化・量増加しています。「次々に切り替える」「結果を出す」という負荷が前頭葉への負担となります。
③ 自然遊び・無刺激の時間の欠如
昔と比べ、子どもたちの“ぼーっとする時間”や“自由に遊ぶ時間”が減っています。前頭葉を休ませる時間=脳をリセットする時間が足りないことで、回復が追いつかなくなります。
では、どうすれば「脳疲労」を防げるのか?3つの処方箋
1. “何もしない”時間を意図的に作る
10〜15分、スマホも画面もオフにして、窓の外を眺める・深呼吸する・散歩する。脳が“リラックスモード”に入る時間を作ることが、前頭葉の回復につながります。
2. 単純な体を使った遊びを増やす
鬼ごっこ・ボール遊び・砂遊びなど、“考えすぎず動ける遊び”が脳を整えます。身体を使って遊ぶことで、余計な思考がオフになり、前頭葉が休めるのです。
3. 睡眠・栄養・スマホ時間のコントロール
特に寝る前のスマホ・動画タイムを控え、寝る前30分は暗めの環境で過ごすこと。睡眠中に前頭葉を含む脳を回復させることが重要です。また、たんぱく質・鉄分・オメガ3などを意識した食事が神経伝達の質を支えます。
結びに
今の子どもたちにとって、「どれだけ勉強したか」だけでなく「どれだけ脳を整えたか」が、学び・生活・将来すべてに関わるテーマになっています。前頭葉を“使いっぱなし”にせず、休ませながら育てることこそが、真の“賢い成長”です。
ぜひ今日から、子どもたちの“脳の休息”にも目を向けてみてください。

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