なぜ 山本由伸 を変えた? “身体革命”を支える男、矢田修の正体
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
- 4 時間前
- 読了時間: 3分
「速球だけで語られる選手」から、「身体も技術も“別次元”」と評されるようになった山本由伸選手。では、どうしてここまで変わったのか――その裏には矢田修さんという“身体の専門家”との出会いがありました。今回は、矢田さんがどのような人物か、何を指導してきたか、そしてなぜ山本選手をここまで進化させたのかを掘り下げます。
矢田修さんとは?
矢田修さんは、大阪を拠点に活動してきた身体・動作の専門家で、接骨院院長としての顔を持つ一方、競技アスリートへのトレーニング・動作解析も手掛けています。
「キネティックフォーラム」という研究団体を通じて、野球選手だけでなく陸上やバスケットボール、フィギュアスケーターなど幅広い分野の選手を支援してきました。
その中でも、山本由伸選手とのタッグは特に注目され、「身体の土台から投げ方までを根本から見直した」という変化が話題になっています。
指導のキーメソッド「BCエクササイズ」
矢田さんのトレーニング理論の柱は「BCエクササイズ」と呼ばれるメソッドです。これは、重いウェイトを持つトレーニングではなく、「身体の内側=インナーマッスル」「正しい立ち方・重心・呼吸・姿勢」など、動作の“質”を高めることに重点を置いたもの。
矢田さんはこう語ります:
「正しく立てない者は、正しく歩くことはできない。正しく歩けない者は、正しく走ることはできない。正しく走れない者は、正しく投げることはできない。」
この言葉の通り、「立つ」「歩く」「走る」といった基礎動作を見直すことが、投球という“頂点”の動作に直結するという考え方です。
山本選手もこのBCエクササイズを取り入れてから、従来の「脚を高く上げて強く投げる」フォームから、「重心を整え、身体の連動を効かせたフォーム」へと進化しています。
山本由伸選手との関係と変化
山本選手が矢田さんと出会ったのは高校時代〜プロ入り直後と言われています。
高校時代から身体の使い方に課題を抱えていた山本選手は、矢田さんの指導を受けて“フルモデルチェンジ”を決意。
矢田さんは山本選手にこう伝えたそうです。
「今の投げ方の延長線上では、あなたの理想には届かない。フルモデルチェンジが必要です。」
この改革以降、山本選手の投球フォーム・体幹バランス・ケガの少なさなど、すべてが向上。
その結果、NPBでの圧倒的な成績と、MLB挑戦を支える基盤を作り上げました。
なぜ矢田さんの指導が画期的?
1. “型破り”なアプローチ
多くのプロ選手が筋トレ中心の体づくりを行う中で、矢田さんは「立ち方・動作・連動性」から改善を図る異色の手法を取っています。
2. ケガをしにくい身体作り
肩や肘への負担を減らし、長期的に投げ続けられる身体の使い方を重視。
3. 続けられる“地味トレ”
BCエクササイズは派手さはないものの、400種類以上あるとされ、地道に積み重ねるほど動作の質が高まる。
山本選手も「地味だけどずっとやれる」と語っています。
4. 信頼関係と個別最適化
矢田さんは「教える」よりも「一緒に作る」という姿勢で指導を行い、選手一人ひとりに合った方法を導き出すスタイルです。
今後の展望
山本選手が所属するロサンゼルス・ドジャースでも、矢田さんのトレーニング理論は注目されており、メジャーでも応用可能な「身体操作の科学」として関心を集めています。
今後、彼の理論が世界レベルの選手育成に広がっていく可能性もあります。
結びに
矢田修さんは、「ただ強くなる」「ただ速く投げる」ためではなく、
“正しく立ち、正しく動く”ことで、最大限の力を発揮させる専門家。
そしてその理論を体現しているのが、まさに山本由伸選手です。
彼の存在は、「努力の方向を変えれば、人はここまで変われる」ということを教えてくれます。
これからも、矢田修×山本由伸の“身体革命”は、多くのアスリートの道しるべになるでしょう。
