【世界陸上2025】デュプランティスが棒高跳び世界記録6m30を更新!ポールの硬さ・技術進化・今後の限界を徹底解説
- 森 雅昭(かけっこ走り方教室/体操教室枚方市/大阪/京都
- 9月17日
- 読了時間: 3分
2025年9月15日、東京オリンピックスタジアムで開催された世界陸上競技選手権にて、モンド・デュプランティス(Armand Duplantis)が棒高跳びで世界新記録となる6m30を達成しました。
自身が2025年8月に樹立した6m29をわずか1か月で塗り替え、人類の限界に再び挑戦した歴史的瞬間です。
本記事では、
• なぜ6m30を跳べたのか
• 使用ポールのサイズや硬さ
• アップライトや環境条件の影響
• 工学的な観点から見た「人類の限界」
• 今後の世界記録更新の可能性
について、わかりやすく解説します。
デュプランティスが世界記録を更新できた理由
1. 圧倒的な技術と身体能力
助走スピード、ポールの設置タイミング、空中でのフォームの精度が極めて高く、バーをわずかに超える「数センチの世界」で成功率を高めています。
2. より硬いポールの使用
世界記録更新時には、通常よりも硬いポールを使用したと報じられています。
• 長さ:約6mクラス
• 素材:カーボンファイバーやグラスファイバーの複合体
• 特徴:高い剛性(EI値数千Nm²)、大きな反発エネルギー
硬いポールは多くのエネルギーを蓄えられますが、助走スピードや筋力、体幹のコントロールがなければ扱えません。デュプランティスはそれを自在に使いこなせる数少ない選手です。
3. アップライトとバーの安定性
世界選手権では最新規格の支柱・バーが使用され、わずかな揺れや不安定さを極限まで抑えています。これにより「バーに触れて落ちる」リスクを最小限に。
4. 環境と心理的要因
東京大会は気象条件が安定しており、観客の大歓声も集中力を後押ししました。直前に6m29を成功させていたことが自信につながり、精神的にも最高の状態で挑戦できたと考えられます。
工学的視点:ポール高跳びの限界とは?
ポールの一般的データ
• 長さ:5.0〜6.3m
• 剛性(EI値):3000〜5000 Nm²以上
• 曲げ戻り速度:約0.2〜0.3秒
• エネルギー蓄積:助走9〜10m/sの選手で数千ジュール
これらを踏まえると、現在のデュプランティスが使うポールは「人類が扱える上限クラス」に近いと推測されます。
人類の到達可能高さ
• 短期的には:6m31〜6m33の更新が現実的
• 中期的には:6m35付近が大きな節目
• 長期的には:6m40前後が人類の限界値
ポールの素材技術や助走スピードが劇的に向上しない限り、6m40を超える挑戦は極めて困難と考えられます。
まとめ
• デュプランティスが6m30の世界記録を達成
• 理由は「圧倒的な技術」+「硬いポールの活用」+「安定した環境条件」
• 工学的に見ても、まだ数センチの更新余地はある
• 最終的な人類の限界は6m40前後と推定される
デュプランティスは競技を超えて、「人類はどこまで空に近づけるのか」という問いに挑み続けています。彼の次の挑戦からも目が離せません。
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