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競技に関係ないウエイトや体力測定をするのは本当に意味があるのか?

競技に関係ないウエイトや体力測定をするのは本当に意味があるのか?


部活動やアスリートのトレーニングの現場では、競技とは直接関係のない「ウエイトトレーニング」や「体力測定」が定期的に行われます。しかし、こんな疑問を持ったことはないでしょうか?


「自分の競技には必要ないのに、なぜやるのか?」

「体力測定の数字を上げても、プレーが上手くなるわけじゃない」

「ウエイトばかりで競技練習の時間が減ってしまう」


今回は、こうした疑問を一つひとつ整理しながら、「競技に直接関係なさそうなウエイトや体力測定が、本当に意味があるのか」について考えてみたいと思います。


ウエイトトレーニングは競技に直結しないのか?


ウエイトトレーニング、つまり筋トレの多くは、いわゆる“筋力強化”を目的としています。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトなどは、その競技に特化していない「汎用的なトレーニング種目」です。


では、これが本当に競技に必要ないのでしょうか?


答えは「競技による」です。


例えば、短距離走やラグビーのようなパワー系競技では、筋力そのものがパフォーマンスに直結します。スクワットの数値が上がれば、加速力やスタートダッシュが向上する可能性が高いのです。


一方で、卓球やバドミントンなどの繊細な反応や技術が求められる競技では、過度な筋肥大がむしろ動きのキレを失わせてしまうこともあります。


つまり、競技の性質によってウエイトの“必要度”は変わるというのが正確な理解です。


なぜ汎用的な体力測定をするのか?


学校やスポーツ団体では、50m走、立ち幅跳び、上体起こし、反復横跳びなど、いわゆる「体力テスト」が定期的に実施されます。


これに対しても、次のような疑問が出るかもしれません。

• 「50m速くても、サッカーの試合で役立つの?」

• 「上体起こしなんて、試合中に必要ないよね?」


確かに、体力測定で測っているのは“汎用的な運動能力”です。試合のスキルや戦術理解とは直接つながりません。


しかし、ここで大事なのは**“基礎体力の土台”を知る**という視点です。


競技力は、「技術」×「戦術理解」×「身体能力」の掛け算で成り立っています。技術や戦術がどれほど優れていても、身体がついてこなければ発揮できません。逆に、身体能力が高ければ、それだけ多様なプレーが可能になります。


また、成長期の子どもにおいては、体力測定の数値を追うことで「どんな能力が伸びていて、どこが弱いのか」が明確になります。指導者にとっても、トレーニング方針を考える材料になります。


無駄になるのは、「目的のないトレーニング」


最も問題なのは、「なぜやるのか」が説明されないまま、ただメニューをこなすことです。


・なぜスクワットをやっているのか?

・なぜ50m走を測るのか?

・その数字が競技にどう活かされるのか?


これらが明確になっていないと、選手にとっては「無駄なことをやらされている」と感じるのは当然です。


また、逆に「競技に役立つからやっている」という意識があれば、同じメニューでも取り組む姿勢が変わります。


したがって、重要なのは**“トレーニングの目的と意味を理解させること”**。ここが欠けると、どんなに優れたプログラムでも選手の中に定着しません。


測定とトレーニングは「自己理解」のための手段


競技に関係のない体力測定やウエイトは、“意味がない”のではなく、“どう活かすか”がすべてです。


体力測定で得られるデータは、「自分の今の能力はどうか?」「去年より伸びたのか?」「どこを強化すれば競技に役立つのか?」を知るための貴重な情報です。


ウエイトトレーニングも、正しく目的設定されていれば、

• ケガ予防のための筋力アップ

• パフォーマンス向上のための出力強化

• 姿勢改善のための体幹強化


など、競技外でも大きな意味を持ちます。


まとめ|“意味があるかどうか”は「自分の考え方」次第


結局のところ、「競技に関係ないウエイトや体力測定をする意味があるのか?」という問いの答えは、「その人がどう捉えるか」によります。


同じ測定でも「自己分析の機会」と考えれば意味があるし、何も考えずに受けるだけなら時間の無駄です。ウエイトも「身体の土台を強化するトレーニング」と捉えれば競技に役立つし、ただ“筋肉をつけるだけ”と考えれば目的を見失う可能性があります。


だからこそ、トレーニングや測定に対して“目的意識”を持つことが、最大の意味を生み出す鍵なのです。


おわりに


指導者にも選手にも言えることですが、日々のトレーニングや測定に対して「何のためにやるのか?」を問い直すことはとても大切です。


それが競技に役立つなら、意味がある。そうでないなら、工夫が必要。


無意味に感じるものに価値を与えるのは、自分自身の「意識」と「考え方」なのかもしれません。


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